高額で売買されている象牙の使い道は?


象牙 原木

 

象牙は2018年現在ワシントン条約によって国際取引が原則禁止されています。

日本は1980年にワシントン条約に加盟しましたが、その時点でアジア象の象牙の取引は既に禁止されていましたが、アフリカ象の象牙の取引は禁止されていませんでした。

しかし、象牙を狙ったアフリカ象の密漁が後を絶たなかった為、1989年にアフリカ象の象牙の取引も禁止される事となり、その後世界的に原則輸出入禁止の流れが続いています。

輸出入は禁止されていますが、日本国内には1989年以前に輸入された象牙が数多く残っていて、今も国内での取引は行われています。

しかし日本国内においても平成5年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が施行され、牙の状態の象牙の取引については登録制になる等、規制が厳しくなっています。

世界的にみると、英国王室が象牙の調度品を焼却処分にするなど、象牙の取引自体が象の密漁を誘発し絶滅に追いやる原因だという風潮が大勢を占めていますが、古くから生活の中で象牙製品を使っていた日本や中国等では国内での取引は継続されています。

といっても象牙自体が希少な物なので、象牙を加工して作る製品もおのずと高額にならざるを得ず、贅沢品という位置づけになってしまっています。

また、象牙素材でしか作れない物は殆どなく、他の素材で作られていた物を象牙で作り高級品として販売しているというのが本当のところだと思います。

輸出入が国際的に原則禁止されている中で、日本国内にある象牙に関しては基本的に日本国内で再加工して販売使用されています。

 

やはり象牙といえば代表的な用途は印材です。

象牙 印材

象牙 印材

 

象牙は印鑑の最高級素材として使われています。

象牙製の印鑑は、長年使っていると朱肉の朱色が印材に染みていき、味のある風合いになっていくのもあって人気がありますが、実は象牙が印材として使われるようになったのは最近50年程なのです。

高度経済成長で国内の生活水準が向上してきた1960年代、あるハンコ屋さんが高級な印材を使って印鑑を高額で売る事を思いつきました。

そこで目を付けたのが硬くて耐久性もあり高額な象牙だったのです。

このハンコ屋の思い付きによって象牙の印鑑が高級品として広まり、1本数万円から数十万円という象牙の印鑑が定着したというわけです。

この象牙を使った印鑑ですが、印鑑を古くから扱っている老舗の業者さんたちの中には象牙の印材を扱っていないお店もあります。

それは、印鑑は人間の魂が宿る分身であるという考え方の下、象の死骸の一部である象牙で印鑑を作る事は不適当であるという見解からです。

このような理由で本来の印相学から見れば凶相である象牙の印鑑が今も人気があるのは、高額な物を持っているという見栄とかステータスというものが、人の行動に多大な影響を与えているという事を物語っていますね。

 

 

象牙製品として多いのは象牙の彫り物

象牙 布袋様

象牙 布袋様

象牙を使ったものとしては、やはり象牙に彫刻を施した置物などが多いです。

象牙を使った彫刻で有名な物は中国で作られる天球と呼ばれる幾層にも重なった球状の彫刻が有名ですが、日本国内での製造は聞いたことがありません。

日本国内では、七福神の置物や根付などにする事が多いですね。

 

 

象牙を使ったその他の製品

その他には、アクセサリーや数珠、箸、琴柱等などに加工される事が多いです。

 

象牙ネックレス

象牙ネックレス

 

象牙の管理について

象牙は硬さもあり頑丈なイメージがありますが、実は非常にデリケートな素材です。

温度の変化によって割れてしまう事もあれば、乾燥によって割れてしまう事もあります。

また汚れたからといって洗剤で洗ってしまうと傷んでもろくなってしまいます。

象牙はデリケートな素材だという事を理解して、温度や湿度に気を注意して管理する事をオススメします。