おはようございます。
鑑定士の湯本です。
今回のお客様は60代の女性です。
親の遺品の中にあった掛け軸ですが、1930年頃の古書を掛け軸にしたもので、
現在の価値が知りたいということで来店されました。
結論から申し上げますと、今回の場合特に、内容が重要な古書でないことと、多数存在することから高値はつかないことをご説明しました所、がっかりしてお持ち帰りになりました。
この場をかりて掛け軸の今昔を簡単にお話したいと思います。
歴史は、中国の北宋時代に「掛けて拝する」事から仏教の仏画用に普及し始め日本では、鎌倉時代、禅宗の影響を受け仏教仏画から花鳥風月の水墨画が流行していった。
室町時代以降、茶の湯の席で座敷の床の間にも掛け軸が多く見られるようになった。
江戸時代、明朝式表具が日本に入り、華やいでいった。
明治・大正期は日本画の盛隆により、掛け軸もさらに大きく飛躍していった。
昭和に入ると、戦争により絵画等鑑賞する時代背景ではなくなり、掛け軸の需要も激減した。
戦後、日本画の掛け軸離れが著しくなっていったことと、生活の洋風化により「床の間」離れが目立ち、掛け軸の愛好者数は今も大変少ない状況が続いている。
掛け軸に限ったことではございませんが、いつの時代もはやりすたりがあり、需要と供給のバランスが価値を左右することになります。
このように、現在お客様がお持ちの価値がわからない場合でもラフテルならしっかり無料で査致しますのでお気軽にお声掛けください。