象牙買取実績 象牙製七福神宝船
お客様情報
お客様:Y様
所在地:千葉県柏市
年齢:40代
買取方法: 出張買取
売却品:象牙製七福神宝船

買取を依頼した理由
離れの物置が老朽化して危なくなってきたので、建て替えの為に整理していたところ出てきたものだという事です。
飾る場所もないので、本物の象牙かどうかの真贋確認も兼ねて査定依頼をいただきました。
「象牙」とうたっている商品の中には偽物も多く、一般の人が判断するのが難しい物も沢山出回っています。
誰が購入した物かもわからない状況なので、Y様も本物の象牙なのか模造品なのかもわからず、象牙を扱っている弊社にご依頼いただいたという事です。
買取価格
買取金額 ¥20,000-
査定したポイント
象牙を査定する上でまず初めにしなければならないのは、真贋判定です。
象牙の真贋判定は、象牙特有の柄があるか、柄があっても人工的な柄でないか、等で判定する事が一般的です。
今回の七福神宝船につきましては、七福神だけが本物の象牙加工品で、舟は人工的に作られた素材の加工物でした。
画像ではわかりにくいかもしれませんが、今回の依頼品では七福神と船の色合いが微妙に違っていました。
本物の象牙も人工素材の加工品も年月の経過とともに少しずつ色合いが変化していきますが、同じ素材であればそれほど色の違いは見受けられません。
本物の象牙と人工素材という差があったため、色合いだけでなく光沢などにも差が出ていて比較的わかりやすい真贋判定だったと思います。
七福神は象牙特有の柄がしっかりと確認できる品物でしたし、彫刻の詳細部等も象牙の加工品が持つ特徴を示していたので、間違いなく本物の象牙だと認定いたしました。
また、彫刻も非常に繊細で七福神の顔の表情までも見事に作られていました。
象牙の加工品については象牙素材として重さだけで値付けする事もあるのですが、彫刻の精度がすばらしかったので加工品として査定額をご提示させていただきました。
象牙買取 まとめ
象牙は世界的な流れとして一切の取引を禁止する方向に動いています。
1989年のワシントン条約締結以降、絶滅危惧種であるアフリカ象等を守る為、象牙の取引が厳しく制限されていますし、象牙の取引だけでなく、象牙の密売を助長するという事で象牙の加工品を所有する事さえも「悪」のような風潮になっています。
英王室のウイリアム王子は、王室所有全1,200点のアンティーク象牙加工品を破壊してしまいたいとさえ言っています。
欧米諸国が取引の全面禁止を打ち出す中、大きな市場として日本と中国だけは合法的な取引を認める施策を取ってきましたが、中国も2017年末をもって象牙の取引が全面禁止となります。
また、香港も2021年までに象牙の取引を全面禁止にする旨を表明しており、合法的に取引できるのは日本だけとなる公算が高いです。
日本政府は今のところ取引を全面禁止するという事は表明しておらず、2017年6月の「種の保存法」の改正でも取引業者の届出制から登録制への移行、罰則の強化等にとどまり、全面禁止の方向は向いていません。
こんな日本の政策に対して世界各国から避難が集まっており、中国が象牙取引禁止国となる中、日本への風当たりはますます強くなる事が予想されます。
法改正も行ったばかりなので、この1、2年くらいは動きはないと思いますが、いつ象牙の取引が全面禁止となるかわからない状況にあります。
もし自宅に昔買った象牙や象牙加工品がある方で処分を検討されている方がいらっしゃいましたら、早めに処分される事をお勧めいたします。
昔高価だった「象牙」が他の人に譲る事のできない「不良資産」か、日の目を見ない「ゴミ」になってしまう日も近いと思いますから・・・。