パラジウム(Palladium)は、白金族に属する貴金属の一つで、元素記号は「Pd」、原子番号は46です。以下にパラジウムの特徴や用途について説明します:
特徴
- 化学的特性:
- 他の金属と合金を作りやすく、特に金やプラチナと混ぜることで硬度を増すことができます。
- 酸やアルカリには比較的耐性がありますが、王水(濃硝酸と濃塩酸の混合物)には溶けます。
- 物理的特性:
- 銀白色の金属で、非常に光沢があります。
- 軽量で、柔らかく、展性や延性に富んでいます。
- 化学的に安定しており、空気中では酸化しにくいです。
用途
- 産業用途:
- 触媒:自動車の排ガス浄化装置(触媒コンバーター)で広く使用され、排気ガス中の有害物質を無害化する役割を果たします。
- 水素吸蔵材料:水素を吸収しやすいため、水素貯蔵や水素化反応の触媒として使用されます。
- 電子機器:高い導電性を持つため、電子機器のコンデンサーや接点材料に使用されます。
- 宝飾品:
- プラチナやゴールドと混ぜて、ジュエリーに使用されることがあります。特に、ホワイトゴールドの合金として使われることが多いです。
- 医療:
- 歯科用材料としても利用され、耐久性や生体適合性に優れています。
市場と価値
- パラジウムは希少な金属であり、プラチナやゴールドと同様に高価です。その需要は特に自動車産業での触媒用途が大きな割合を占めています。
- 近年では、自動車の排ガス規制の強化に伴い、パラジウムの需要が急増し、価格も上昇しています。
歴史
- パラジウムは1803年にイギリスの化学者ウィリアム・ハイド・ウォラストンによって発見されました。彼は白金鉱石を精製する過程で、パラジウムを分離しました。
パラジウムは、その多用途性と希少性から、さまざまな産業で重要な役割を果たしています。