タングステンとは

タングステン
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元素としてのタングステン

タングステンは元素記号「W」で表される化学元素で、原子番号は74です。周期表の6族に属し、重金属の一種です。タングステンという名前は、スウェーデン語で「重い石」を意味する「tung sten」から来ています。これは、この元素の高密度と高質量を示しています。

  • 元素記号: W
  • 原子番号: 74
  • 元素のグループ: 6族
  • 発見年: 1781年

素材としてのタングステン

タングステンは、その独特の特性から様々な産業で重要な素材とされています。特に高温に強い性質を持つため、超高温環境での使用に適しています。非常に硬く、耐久性が高い素材であり、多くの工業用途に使用されています。

  • 硬度: 非常に高い
  • 密度: 19.3 g/cm³
  • 融点: 3422°C (6192°F)
  • 耐食性: 優れている

タングステンの用途

工業用途

タングステンは、その高硬度と耐熱性から、以下のような工業用途に広く使用されています。

  • 切削工具: タングステンカーバイド(炭化タングステン)は切削工具やドリルビットに使われ、高速での切削作業に適しています。
  • 電球のフィラメント: タングステンの高い融点により、電球や真空管のフィラメントとして使用されます。
  • 航空宇宙: 航空機やロケットエンジンの部品に使用され、その耐熱性と強度が求められます。

医療用途

タングステンは、医療分野でも重要な役割を果たしています。

  • 放射線防護: タングステンの高密度は、X線や放射線を遮蔽するための材料として使用されます。
  • 医療機器: 放射線治療装置や各種医療機器の部品に利用されます。

装飾品

タングステンは、その美しい光沢と耐久性から、ジュエリーや時計の素材としても人気です。

  • ジュエリー: タングステンの指輪やブレスレットは、耐久性が高く傷が付きにくい特性があります。
  • 時計: 高級時計の部品としても使用され、その重厚感と耐久性が求められます。

タングステンの特徴

耐久性

タングステンは非常に硬く、耐久性に優れています。その硬度は、モース硬度で9.5にも達し、ダイヤモンドに次ぐ硬さを誇ります。このため、切削工具や装飾品に最適です。

耐熱性

タングステンは、金属の中で最も高い融点を持ちます。3422°Cという非常に高い温度でも溶けないため、超高温環境での使用が可能です。これにより、電球のフィラメントや航空宇宙産業での使用が可能となっています。

化学的安定性

タングステンは多くの酸や塩基に対して耐性があります。この化学的安定性は、腐食環境でも長期間使用できる材料としての価値を高めています。

高密度

タングステンの密度は19.3 g/cm³と非常に高く、この特性は放射線防護材や重りとしての用途に適しています。

比重

タングステンは高い比重を持ち、これにより高強度と高剛性を実現しています。この特性は、航空宇宙や軍事用途などで重要です。

タングステンはその優れた特性により、幅広い分野で使用されています。元素としての特性から、素材としての利用まで、様々な用途でその価値が発揮されています。高温環境や高強度が求められる場面で、その真価が発揮される金属です。

まとめ

タングステンはその優れた特性により、工業、医療、装飾品など多岐にわたる分野で重要な役割を果たしています。その高硬度、耐熱性、高密度、耐腐食性などの特性が、様々な用途でその価値を発揮し続けています。特に、耐久性と安定性が求められる製品において、その真価を発揮する金属です。

関連サイト

ウィキペディア タングステ

日本タングステン株式会社- タングステンってなあに

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