宝石買取実績 ルビーリング Pt900 5.2g
お客様情報
お客様: E様
所在地: 茨城県
年齢: 60代
買取方法:出張買取
売却品: ルビーリング Pt900 5.2g 2.41ct
買取を依頼した理由
このルビーリングは、E様が30代の頃、東南アジアに旅行に行かれた際に購入された物だという事です。
E様には娘さんがおられるという事ですが、今のデザインじゃないからと付けたがらないという事でした。
このまま放置しておくと、いつかゴミと一緒に捨てられてしまう可能性もあると心配になり、今回査定依頼をいただきました。
買取価格
買取金額 ¥78,000-
査定したポイント
今回のルビーリングのルビーは、珍しいトリリアントカットの物でした。
トリリアントカットは、厚みや外周の大きさを揃えにくいので、量産には向かないと言われています。
このルビーリングも現地で職人が作った一点物だと思われます。
E様は、50代の頃に一度売却を考えられた事があるという事で、その時に鑑別書を作られました。
今回も鑑別書を見せていただいたのですが、ヒート処理がされたルビーという事で、この金額となりました。
今回のルビーは色も濃く透明度もあったので、もしノンヒートであればもっと高い査定額になったと思われます。
ルビーリング買取 まとめ
今回のルビーリングの査定で「ノンヒート」、「ヒート」という言葉が出てきましたが、ノンヒートのルビーとヒート処理されたルビーには、それぞれ特徴があります。
ノンヒートとは、加熱処理がされていない宝石だという事で、逆にヒートは加熱処理された宝石という事になります。
もちろん肉眼や10倍くらいのルーペでは特徴を見分ける事は非常に困難ですが、30倍~60倍くらいの高倍率ルーペや顕微鏡で見ると特徴を顕著に見ることができます。
代表的な特徴だと、ノンヒートのルビーには、「シルクインクルージョン」と呼ばれる60°に交わる短く白い線状の内包物が見受けられます。
ヒート処理するとこの「シルクインクルージョン」は消滅し、ドット状やモヤ状のインクルージョンに変化する事が多いです。
従前は、シルクインクルージョンがあればヒート処理された痕跡がないという事だったのですが、現代では「低温加熱処理」という技術が出現し、このシルクインクルージョンを残したまま色鮮やかに透明度を増すといったルビーもあるという事なので、ますますノンヒートであると判断するのは難しくなっているというのが正直なところです。
またルビーを査定する上で問題となる事があるのが、その宝石が「ルビー」なのか「ピンクサファイア」なのかという事です。
宝石業界では、一般的にルビーの方がピンクサファイアより高額となります。
よって、その石が「ルビー」なのか「サファイア」なのかという事は、結構重要な問題なのです。
「ルビー」として購入した宝石を鑑別してもらったら「ピンクサファイア」と判定されてしまう事もあり、宝石業界ではこれを「ルビー落ち」といいます。
ダイヤの4Cを世に広めた世界的な宝石鑑別鑑定機関GIAでは、赤、ピンク、パープル、青、グリーン、イエロー、オレンジ等様々な色のコランダム鉱石のマスターストーンがあり、そのマスターストーンと比較する事により、その宝石がルビーなのかピンクサファイアなのかを判別して表示しているそうです。
今回査定させていただいたルビーリングは、ピンクにほど遠い赤でしたので問題ありませんでしたが、色の薄い赤色の(ピンクに近い)「ルビー」を査定する事も少なくありません。
ここで考えていただきたいのは、微妙な色の薄いルビーと鮮やかなピンクサファイア、どちらが希少かという事です。
希少性という面から見ると、明らかにピンクサファイアの方が希少なのです。
色の好みは人それぞれだとは思いますが、宝石としての価値という観点から見るとルビーは「赤」ピンクサファイアは「ピンク」に近いほうが宝石の価値は高くなります。
もし淡い色のルビーの購入を検討されている方がいらっしゃいましたら、思い切って鮮やかなピンクのサファイアを購入するという事も一つの選択肢かもしれません。