印鑑に使用される素材で有名なのが象牙です。実印や銀行印、認印などの素材として使用され、人気があります。
象牙は希少性が高く、さらに印鑑としての性能も抜群のため、やや価格は高いですが需要があります。そんな象牙ですが、実は品質があります。
象牙と言っても、すべて同じわけではなく、品質によって価格も大きく異なるのです。象牙の品質は、まず象牙の個体ごとに違います。天然物の象牙だけに、同じ象牙は存在しないのです。また、取る部分によって品質は違ってきます。
1本の象牙からは、約200本の印材を作ることができるとされているのですが、象牙の部分によって品質が異なるのです。もちろん、高品質になれば、印鑑の価格も高くなります。
象牙の印鑑を購入する際には、象牙の品質にも注目してみてください。
象牙の部分と品質について
外側に近い部分の品質
基本的に、象牙の外側に近い部分ほど品質は低いです。外側の部分は外皮層と呼ばれています。外側になるほど、キメが粗くて均一ではありません。
とくに、象牙の手前部分の外側は品質が低く、ランクとしても低いです。もちろん、印鑑として使用する分には問題ありません。比較的に安い価格で販売されている象牙の印鑑は、象牙の外側に近い部分を使用している可能性が高いです。
中心に近い部分の品質
象牙の中心に近い部分ほど、品質は高くなります。中心部分は「中心層」や「中皮層」と呼ばれており、高い品質を誇っているのです。
また、先端部分に近いほど高品質とされています。高品質な象牙は、とてもキメが細かいのが特徴です。そのため、見た目も美しく、高品質な象牙が人気になり理由も納得です。ただし、価格はやや高めになるので注意してください。
「日輪」や「横目」とは?
象牙の品質で最高級と言われるのが「日輪」や「横目」です。一般的に、象牙は縦方向に切り出されるものなのですが、「日輪」「横目」は横向きに切り出されています。
横向きに切り出されると、どうしても強度は落ちてしまいます。しかし、横向きにすることで、円心状に美しい模様が浮かび上がるのです。そのため、とても美しく最高級品として扱われています。
印鑑の素材の中でも極上品となっており、実印や銀行印、認印などで1本あれば自慢ができるレベルです。そのため、価格はとても高額となっています。お気に入りの印鑑を所望している方は、ぜひ「日輪」「横目」の実印や銀行印、認印を検討してみてください。
象牙の品質によって何が違う?
性能面での違い!
象牙の品質による違いで挙げられるのは、性能面での違いです。基本的に、低品質の象牙の印鑑だと耐久性がやや劣ります。その一方で、高品質な象牙ほど耐久性が高く、安定して使用することができるのです。
もちろん、低品質のものでも、水牛などに比べれば耐久性は高いです。また、「日輪」「横目」の耐久性に関しては例外となっています。
「日輪」「横目」は、耐久性はあまり優れていないのですが、美しさや希少性の高さから品質が高くなっているのです。
印影の美しさの違い!
象牙の品質による違いには、印影の美しさも挙げることができます。キメが細かい高品質な象牙の印鑑を使用している場合、使い込んでいくと朱肉が印面から染み込んできて美しい朱の木目模様ができるのです。
残念ながら、低品質の象牙の印鑑では木目模様になりません。また、見た目でもキメが細かい高品質な象牙の印鑑の方が美しいです。
そのため、高品質な印鑑で実印や銀行印、認印など一式あれば美しく、まるで芸術品のように楽しむこともできます。
価格面での違い!
象牙の品質による大きな違いは価格面です。当たり前ですが、低品質の象牙の印鑑ほど安い価格が付けられており、逆に高品質な象牙の印鑑ほど高額な価格が付けられています。
低品質の象牙の印鑑なら、サイズによりますが1万円台で購入することも可能です。
しかし、最高級とされている「日輪」「横目」だと、サイズによりますが最低でも7万円ほどは必要になります。大きいサイズのものなら、20万円を超える象牙の印鑑もあるのです。
象牙の印鑑を購入する際には、価格も重要な要素となるため、品質と価格のバランスを考えて選ぶのがおすすめです。
まとめ
今回は、象牙の印鑑の品質について紹介してきました。象牙の印鑑には品質があります。象牙の個体ごとに品質は違い、さらに象牙の部分によって品質は違ってくるのです。
象牙の外側に近い部分ほど、品質は低くなります。逆に中心に近い部分ほど高品質となっています。
さらに、横向きに切り出されるもの「日輪」「横目」などと呼んでおり、最高級品とされているのです。品質が高いほど耐久性があり、使用した際の印影も美しい傾向があります。
また、価格面でも品質が高いほど、高価となっています。そのため、価格面と品質のバランスを考慮して、自分好みの象牙の印鑑を購入するのがおすすめです。