名前:Z様
所在地:青森市
年齢:50代
買取した商品:香炉
買取した商品のご紹介
今回のご依頼品は年末年始に向けて大掃除をしていたところ、物置小屋から出てきた物だそうです。
誰の持ち物か分からないが、多分昔、祖父が集めていた物ではないかとの事でした。
発見された際に見ただけでは価値のある物かどうか分からなく、処分しようにも困っていたが箱に作者と思われる人物の名前の記載があったため、一度査定をしてもらうことを決意されました。
青森にお住いのご依頼主様は東京へ行くのは厳しいとのことで、骨董品を宅配で査定している所を探しラフテルへたどりつかれました。
状態
今回お持ち頂いた筆筒と香炉を拝見させて頂いたところ銅で出来ている物でした。
銅は柔らかく加工しやすい金属の為、美術品等に使用されてきました。
しかし赤錆や緑青といった錆を生じやすい金属です。
特に日本は湿気が多い国である為、水分に反応し緑青を生じやすいです。
依頼頂いたお品物には銅特有の錆が表面には見られず、比較的にきれいな状態でした。
また筆筒についていた共箱には、本間琢斎(ほんまたくさい)の名前の記載があり、作家によって作られた物だと分かりました。
査定額
¥60,000-
査定ポイント紹介
上部にも記載しましたが今回のご依頼品の筆筒の方には、共箱がしっかり付いておりました。
共箱は作品とセットになっている箱の事で作者や作品名の記載が有ります。
共箱の状態も焼けや、痛み等が少なく、作者の記名もしっかり読む事ができるお品でした。
今回のご依頼品の作者である本間琢斎(ほんまたくさい)は新潟県出身の鋳金家(ちゅうきんか)で、1812年の江戸後期から1891年の明治時代に活躍し様々な作品を世に残しています。
鋳金とは金属を流し込んで作品を作る技法で、銅や金、銀などが用いられます。
中でも最も多いのは青銅を用いて作られている物で、皆様がよく目にする物の中ではお寺にある釣鐘が青銅で作られています。
本間琢斎(ほんまたくさい)は元々、大砲を作っており後に美術品の作製を始めます。
美術品を製作する中で斑紫銅(むらしどう)という銅で作った作品を磨き上げ、再び炎で熱し表面に紫色の不規則な模様を浮かび上がらせる技法を発明します。
銅製品を熱する際に普通の炭より高い温度で熱する事ができる白炭(通常の炭を高温で熱し、素灰をかけて消化したもの)を使用する事で、銅が溶ける寸前まで熱する事ができます。
この時に温度が低いと斑点が現れない為、鋳金職人が銅の変化を確認し一つ一つ取り出すタイミングを見計らいながら作る為、全く同じ模様が出なく希少価値が高いとされています。
今回ご依頼頂きました筆筒にも斑紫銅特有の斑点が、確認出来ました。
まとめ
骨董品は状態や付属品によって金額がかなり左右されます。
今回のパターンのように共箱の有無でも金額の差が出ますので、査定を考えていらっしゃるお客様は必ずセットにして査定員にご依頼下さい。
ラフテルでは作家さんの記名がない骨董品でもお買取が可能です。
お気軽にご相談ください。
皆様のご依頼、お問い合わせを心よりお待ちしております。
桃園美術より転用