こんにちは。
ラフテルの鑑定士の半田です。
今回は少し珍しいキセルを買取させて頂きました。
キセルは高価な値段が付くものもありますのでご紹介させていただきます。
【買取品】
キセル2本まとめて 銘 公春 計約83.5g 煙管筒 喫煙具
【買取金額】
¥140,000
【状態】
公春の銘入りで桐箱にも筆書きと落款が押されています。
2本のキセルの状態も傷やへこみも少なく非常に綺麗な状態です。
長さは2本とも20㎝程です。
キセル本体にも銘の刻印があります。
先端のタバコを詰める火皿の状態も使用感が少ないのが分かります。
吸い口の部分も劣化が少なく綺麗な状態です。
【査定ポイント】
煙管(キセル)は江戸時代に誕生した日本独自の喫煙具です。
巻きたばこが普及する大正時代頃まで刻み煙草を使用した煙管が主流でした。
明治時代が煙管の最盛期と言われており金工師たちによって高度な細工が施されるようになりました。
いつの時代も煙管はファッションアイテムの一つとしてオリジナリティ溢れる様々なデザインが開発されましたが大正時代以降は紙巻きたばこが主流となり次第に煙管は衰退していきました。
今では一部の地域や工房でのみ生産されるにとどまってますが、装飾の美しさや当時の技術の素晴らしさに再び注目が集まり中古市場や買取市場でもコレクターを中心に非常に人気が高くなってます。
特に年代が経過していても状態が綺麗な煙管は需要も高くなりますので高く売れる理由でもあります。
延べ煙管は全体が金属で作られており素材は金、銀、銅、鉄やスズや真鍮などですがそれらに鍍金や象嵌を施したものもあります。
名工と呼ばれる塩津正寿、岩井三郎、吉田省吾、野島光次、中川浄益などの作品は人気も高く買取市場においても高額査定が期待できます。
金工師や彫刻師が作った作品には箱や煙管本体にサインが書かれていますので銘の有り無しは査定の重要なポイントになります。
煙管の査定のポイントは「銘、作家」「状態」「年代」の3つが値段に影響していきます。
銘に関しては有名な金工師が作ったものほど価値が高くなり箱が有る場合は付属品も重要です。
状態に関しては壊れてないもの、傷やへこみが少ないもの、変色などがないものなど保管状態が良い物ほど査定は高くなります。
年代や時代に関しては江戸時代の煙管は火皿も大きく煙管自体も長いものが多かったようですが明治時代になると江戸時代の大きな煙管と違い煙管自体も改良されサイズは細く短くなり使いやすいサイズになったと言われています。
江戸時代の古い煙管は骨董品としての価値も付いてきますので古い時代のもので状態が良い煙管は希少価値が非常に高いものであると言えます。
今回買取させて頂いた煙管は2本の煙管が一つの桐箱に入っており保管状態も非常に良い煙管でした。
長さや細さのサイズから明治時代以降に作られた煙管であると推測され、銘も入っており付属品も完備されており何しろ状態が綺麗であるという理由から高価買取とさせて頂きました。
【まとめ】
煙管は2種類に分けることができます。
「羅宇煙管 らうきせる」と「延べ煙管 のべきせる」です。
羅宇煙管は3つのパーツで出来ていて「雁首」の先端部分と「吸い口」、そして持ち手の部分が羅宇でこの羅宇の部分は主に竹で作られておりそれ以外の部分は金属で作られているものが多く長さも長いものが多い特徴があります。
一方煙管全体が金属で出来ているのが延べ煙管です。
現代でも煙管は販売されており普段使いのものなら数千円で購入する事が出来ますがやはり付属品がしっかり付いていて銘が入っているものが高額査定に繋がります。
また装飾が凝った煙草入れに入っている煙管も高額査定になる可能性が高い煙管です。
高度な工芸技法を用いた蒔絵細工が施された煙管は美術品としての価値も高く現在でもコレクターが探しており思わぬ値段が付く煙管もありますので先祖の方がお持ちだった煙管がありましたら是非とも当店までご連絡くださいませ。