名前:S様
年齢:70代
所在地:草加市
買取した商品:島岡達三 地釉象嵌草花文壷
買取した品物のご紹介
今回お買取りしたのは、益子焼を代表する陶芸家であり人間国宝の島岡達三による「地釉象嵌草花文壷」です。

地釉の落ち着いた色合いと、草花文様を象嵌で描いた上品なデザインが特徴の逸品。
ふっくらとした造形の中に温もりと力強さが共存する、島岡達三ならではの作風が感じられます。
共箱付きで保存状態も良好なため、コレクターの方にも大変人気の高い作品です。
状態
共箱付き(共布・栞付き)
使用感ほとんどなし
ひび・欠け・修復跡なし
表面の釉薬も美しく保たれ、展示・鑑賞向きのコンディション
丁寧に保管されていたことが伺えるお品でした。
査定額
お買取金額:17万円
島岡達三作品の中でも、保存状態が良く、共箱付きの壷は市場でも高値で取引されています。
今回は作品の完成度・状態・付属品の揃い具合が高く評価され、17万円という高額査定となりました。
査定ポイント紹介
島岡達三の作品を正しく査定するためには、作家性・状態・資料性・市場性の4つの要素を総合的に判断する必要があります。
以下に、当店が実際に確認している主要ポイントを細かくご紹介します。
① 作家の真贋・落款の確認
落款(印銘):作品底部や側面に押印された「島岡」または「達三」印を確認します。
※同じ島岡姓でも島岡桂(息子)や島岡紫明など別作家もいるため、字体や印形状から識別します。
箱書(共箱):共箱の蓋裏に島岡達三本人、またはご家族(遺族)の直筆署名があるかをチェックします。
作品の作風:縄文象嵌や地釉の使い方、フォルムの特徴などから真作かどうかを目視・資料照合で確認します。
② 保存状態
陶芸作品では状態が査定額を大きく左右します。以下を細かく確認します。
ひび・欠け・ニュウ(細かなヒビ)の有無
口縁部・底部に欠損や補修跡がないか
釉薬の剥がれ・貫入の状態(自然な貫入か劣化かを見極め)
汚れやカビ、変色の有無(特に保管が長い場合)
花器として使用歴があるか(内部に水跡・花サビなど)
小さなヒビでも10〜30%査定額が下がる場合があります。
③ 付属品(資料性)
共箱(桐箱):作家名が墨書・署名入りの共箱であるか。本人箱書と識別できる場合は大幅加点。
共布・栞・識書:保護布や栞が揃っていれば、保存状態の良さが証明されるため評価が上がります。
展覧会出品作品・証明書付き:美術展や個展の出品履歴があると、資料的価値としてプラス査定。
④ 作品の種類・サイズ・デザイン
作品形状:壷、花瓶、茶碗、鉢、徳利など。特に壷や花瓶などの大型作品は人気が高い。
象嵌文様の美しさ:縄文象嵌の線の精密さ、文様のリズム、釉薬の深みが高評価ポイント。
サイズ:30cm前後以上の大きめ作品は存在感があり、高値傾向。
デザインの希少性:草花文様、縄文文、幾何学文などの人気モチーフかどうか。

⑤ 時期と作風の変遷
島岡達三は長い作陶人生の中で、釉調や象嵌のスタイルが変化しています。
初期作品(〜1960年代):民芸調が強く、土味が重厚。希少性が高い。
中期(1970〜1980年代):完成度が高く、縄文象嵌技法が成熟。人気が最も高い時期。
晩年(1990年代〜):釉薬の深みが増し、落ち着いた表情が特徴。共箱・署名が明確なものが多い。
制作年代によっても評価が変動します。
⑥ 市場人気・相場動向
近年、民芸陶器の再評価が進み、島岡達三作品は再び注目されています。
特に益子焼の人間国宝三傑(浜田庄司・島岡達三・濱田晋作)の作品は需要が安定。
海外オークションでも人気が高く、状態と付属品が整った壷は10万〜30万円前後で取引されることもあります。
⑦ 保管環境・ 来歴
購入店・展覧会の控え・領収書などが残っていれば、来歴が明確で査定額アップ。
湿気・直射日光などによる劣化が少ない作品は評価が高い。
まとめ
島岡達三の作品は、「真贋」「状態」「共箱」「作風」「時代」の5つが査定の要です。
特に共箱付き・保存良好な壷作品は、現在の市場でも高い評価を受けています。
今回ご紹介の「地釉象嵌草花文壷」は、象嵌の完成度・釉薬の深み・共箱の揃いがすべて高水準で、17万円という高額買取につながりました。















