象牙は古くからその美しい乳白系の独特な色味と加工のしやすさからさまざまな工芸品に加工されてきました。
日本では根付や帯留めなどの装飾品の素材として重宝されてきましたし、近代ではブローチやネックレスなどに加工され、戦後は印鑑の素材として象牙が多く使用されてきました。
象牙は特に日本と中国が輸入していましたが、1989年にワシントン条約により輸入禁止となり、また1995年からは「国際希少性動植物登録票」がなければ売買する事が出来なくなってきています。
それによって象牙はかなり希少価値の高い物になっています。
相場の決まり方
一本物の象牙の査定ポイントは重量です。
象牙の買取価格はキロ×買取単価で計算されるため、重いほど高価になります。
注意点としては本物の象牙の中には詰め物をして重さをかさ増ししている偽物もあります。
一本物の象牙は重さで査定額が出されるため、詰め物が入っている場合は詰め物の重さを抜いた重さでの査定となります。
象牙の希少価値
元々数が少なく、素材の素晴らしさから多くの美術品に使われていたため希少価値が高かったのですが、ワシントン条約により象牙の国際取引が禁止となったことで、現在はもっと希少価値が高まっています。
更には一本物となると牙としてそのまま飾ることもでき、加工することも出来ることから素材としての価値は上がります。
相場と現状
象牙はここ30年ほどで価格がかなり変動しています。
その理由としては先ほどでも述べたように1989年にワシントン条約により象牙の輸入が全面禁止となったためです。
そのため国内に現存する象牙の数が少なくなり、その後急激に価格が上昇し、現在では輸入が禁止される以前の約40倍以上にまで上昇しています。
象牙の査定基準
象牙の買取価格に関しては、一本物だと「重量×重さ」によって決まります。
重くなればなるほど1キロあたりの単価は上がっていきます。
現在の相場では「1kg~3kg未満で20,000円」、「3kg~5kg未満で25,000円」、「5kg~8kg未満で35,000円」、「8kg~10kg未満で40,000円」、が1kgあたりの単価となります。
例えば、もし買取に出す象牙の重さが8.5kgだとすると、「8.5×40,000」になり、340,000円が買取価格になります。
まとめ
一本物の買取で気を付けなければいけないことは登録証の有無です。
昔から工芸品などの素材として重宝されてきた象牙ですが、1995年からは登録証が無ければ売買出来なくなりました。
象牙製品の買取を行うには「自然環境研究センター」が発行する登録証が必要です。
もし、現在所有している象牙が登録されていない場合は事前に登録しておきましょう。
この登録証は譲渡の場合も必要となるので、現在売る予定の無い場合でも登録するのがお勧めです。
登録証はHPからでもダウンロード出来ます。
相続などで象牙を手に入れた場合、お手入れなどが面倒くさそうとか、置いておく場所がないとの理由で象牙の扱いに困っている方もいらっしゃると思います。
そのような場合は買取に出すのをお勧めします。
なぜならまずはその希少性にあります。
象牙は現在ではとても手に入れにくい素材であり、また象牙自体が高級な素材なので高い価値があります。
あまり興味がなくてもとりあえず査定に出せば高額査定となる可能性があります。