日本刀に記される銘
日本刀の銘についてと刀についてお話していきます。
銘は作刀した人が誰なのかを示しており、大宝時代の701年から704年に大宝律令が制定された事により刀工名などを刀へ施したと言われてます。
施している箇所なのですが刀の茎になります、つまり柄に収まる持ち手側の部分になります。
刀は手入れをしないと錆付いてしまいますので研ぎの作業で刃に施してしまうと銘が削られてしまうので茎に施したのだと推測されます。
また、日本刀に関する刀剣用語ですが、とても難しい言葉が多い中で銘を施すことを切ると表現したようです。
理由として肉を切り開いたように見えることからと伝えられております。
上の画像でわかる様に茎は錆付いておりますが銘が切られているのが確認できると思います、もしも刃に銘を切られていたら研いでしまうと銘が消えてしまいますね。
次に銘にも種類があるので御紹介していきたいと思います。
刀工銘は主に刀の作者の名前や住んでいる場所などが切られております。
記年銘は刀が作られた年号です。
裁断銘は刀の切れ味を意味します。
注文銘は刀を注文した人の名前で、刀工銘と記念銘とともに切られていることが多いです。
切符銘はその刀を所持した人の名前、刀を手に手に入れてから入れる所持の証と言われております。
象巖銘は刀に銘を彫って、金や銀を差し込んでいます。
朱銘は無銘の刀に朱漆で入れた銘の事を指しますが、彫っていない点が上記の銘とは異なり刀を傷つけないという観点から考えられたと言われている。
他にも違った表現の銘や呼称銘もあるようですが、最低限このような意味や特徴がある事を抑えておくと面白いかも知れません。
上記は銃砲刀剣類登録票ですが、銘文の欄があるのがお分かりになると思いますが表と裏にどのように彫られているかも記載するようになっております。
この度お買取した短刀は刀工銘であるという事になります。
在銘と無銘の査定への影響
在銘につきましては先ほどお話しましたが、今度は無銘についても少しご説明していきます。
無銘の刀ですと価値がないとか質が劣ると思いこんでしまいそうですが実は違います。
無銘になる理由があるのです、例としては奉納無銘がありますが神社に奉納する刀を意味しますが奉納目的の刀は無銘です。
次に献上無銘がありますが、身分の高い人に銘を彫ってある刀を献上するのはとてもおそれ多いことになりますので無銘とされてきた事実も存在します。
そして影打無銘があります、これは刀匠が制作の依頼を受ける際に理由があります。
刀匠は一振りではなく複数の刀を制作して厳選されたものには銘を入れたと言う説があります、選ばれなかった刀に銘を入れては依頼者に失礼になりますので無銘にし売り出されたそうです。
このように無銘にも深い意味合いがありますし、在銘であった刀も何かの理由で銘が消えたりするケースもあります。
錆や刃こぼれがなく手入れの行き届いた刀であるかが大きな査定ポイントになり次に銘で希少な価値のある刀なのかを調べていきます。
・まとめ
査定させて頂きました刀は短刀です、在銘は三原住助次となっております。
長さは28.7cmで刀身重量は243gでした。
刀の細部にわたり確認していきますと、錆有りで刃こぼれもありました。
まとめ
そのような点から買取価格は50,000円となりました。
在銘の短刀でありながら残念な結果となりましたがお客様は満足されておりました。
今回の刀のお持込みでお客様も知識がついてきたようで興味が出てきたとお話されておりました。
私もまだまだ知識を増やしていきながら誠心誠意の査定に取り組んでまいりたいと考えております。
弊社ラフテルでのお買取品目は幅が広くお客様に好評を頂いております。
ブランド、貴金属、宝石は勿論ですが今回のように刀や骨董品も取り扱い出来ますので気軽にお問合せ下さい。
この春先は移動や転居などでお荷物を点検できる時期でもありますので、気なる品物が御座いましたら是非ご来店ください。