サンゴ買取実績 赤サンゴ 丸玉ルース
お客様情報
お客様: W様
所在地: 埼玉県
年齢: 70代
買取方法:出張買取
売却品: 赤珊瑚丸玉ルース
赤珊瑚丸玉ルース買取を依頼した理由
この赤珊瑚は、W様が30代の頃に購入されたリングに付いていた物だという事なのですが、数年前に指輪から外れてしまい保管していたそうです。
指輪を着ける機会も少なくなったので、台座の指輪と共に今回査定の依頼をいただきました。
買取価格
赤珊瑚丸玉ルース買取金額 ¥8,500-
赤珊瑚丸玉ルース査定したポイント
サンゴのサイズ
W様の赤珊瑚は最大直径14mmと比較的大きなサイズの物でした。
サイズ感としてはとても良く、高額査定となる大きさとなります。
サンゴも宝石です。
そのため、ダイヤモンドと同じように大きいほど値段がつく可能性が高くなっていきます。
色
サンゴの査定にとって一番重要とされるのがこの「色」となります。
血赤という色がサンゴにはあります。
これは、血のようにとても深い赤をしているということからきており、一番の高額査定の原因となるものです。
しかし、今回のサンゴは、サイズ的には高額査定になり得るものなのですが、画像からも見受けられるように、光沢が失われている事と台座に隠れる部分ではありますがキズがある事、色がオレンジに近い事からこの査定金額となりました。
赤珊瑚丸玉ルース買取まとめ
サンゴの豆知識
W様の丸玉のように宝石に使われている珊瑚は、ビーチリゾートに行った時にシュノーケリングやスキューバダイビングで見かける珊瑚礁の珊瑚と同じ珊瑚ではありますが、生息場所や生態がだいぶ違う種類の珊瑚になります。
ビーチリゾートで見られる珊瑚礁の珊瑚は六放珊瑚に属する種類で、触手が六本有り、珊瑚の体内に生息する褐虫藻の光合成によって得られるエネルギーで生きています。
ですから、太陽の光が届く浅い海に生息しているわけです。
しかし、宝石として使われる珊瑚は光の届かない深海に生息しています。
珊瑚の分類としては、八放珊瑚というものになります。
深海に住む八放珊瑚は六放珊瑚のように褐虫藻を飼って光合成によって生きるという事ができないので、自らの八本の触手を使い海中に浮遊するプランクトン等を捕食してエネルギーとしています。
同じ珊瑚でも、珊瑚礁の六放珊瑚は褐虫藻任せの静的な生き方であるのに対し、深海の八放珊瑚は自らの力で生きていく動的な生き方をしているという事になります。
八放珊瑚が宝石珊瑚として珍重されるくらいに大きくなるには、非常に長い年月がかかります。
八放珊瑚の成長スピードは年に6~8mm程度だと言われていますので、よく宝石珊瑚の原木として飾られているような大きさまで成長するには、50年以上の歳月が必要だという事です。
また、50年以上の歳月をかけて大きく成長したとしても全ての八放珊瑚が宝石として珍重されるわけでもありません。
W様の赤珊瑚ルースの査定の時にも査定価格決定の重要な要素となりましたが、珊瑚の価値を決める最大の要素は色です。
血のように赤黒く、また色ムラや穴あきの無い物だけが宝石珊瑚として珍重されるわけです。
では、珊瑚はどうやって色付くのでしょうか?
浅い海に生息する六放珊瑚の色は、褐虫藻の色がそのまま珊瑚の色となります。
褐虫藻の色がそのまま珊瑚の色になるので、浅い海の珊瑚は褐色に近い色の珊瑚が多いですし、近年問題となっている珊瑚の死滅によって褐虫藻がいなくなると、珊瑚自体が白くなってしまいます。
六放珊瑚と異なり八放珊瑚は宝石等に使われている事でもわかる通り、半永久的に色が変わりません。
それは、深海に生息する八放珊瑚の色は、珊瑚の外骨格そのものに色が付いているからです。
珊瑚の外骨格の組成成分は殆ど炭酸カルシウムなので、色は白色です。
珊瑚が自分を守る外骨格を整形する際に、炭酸カルシウムと共に自分が食べた物の色素を合わせて放出している事によって珊瑚は色づきます。
そして、この赤い色素はカロチノイドのカンタキサンチンという植物性の色素になります。
このカンタキサンチンというのは、エビやカニが赤く色付く原因となっている色素と同じものです。
動的な捕食をする八放珊瑚は、エビやカニが捕食するのと同じカンタキサンチンを持つ植物性プランクトンを捕食する事によって赤い色素を体内に取り込み、外骨格を形成する時にこの取り込んだ色素を放出する事によって赤く色付いているという事です。
ですから、赤色が強く血赤に近い色をした珊瑚は、色素の薄い珊瑚より多くの植物性プランクトンを体内に取り込んで多くの色素を得た個体という事になりますので、生物として優れた珊瑚であったと言えるのかもしれません。