宝石の中でもっとも人気が高いダイヤモンド。
無色透明で光り輝くイメージがあるダイヤモンドですが、実はさまざまな色がついたカラーダイヤモンドも珍重されています。
時代とともに流行する色もありますが、そんなダイヤモンドのカラーについて考えてみましょう。
なぜダイヤモンドに色がつくのか
そもそも一般的なダイヤモンドといえば、無色透明のまばゆい光を持つ宝石です。しかしダイヤモンドの結晶が作られる段階のさまざまな科学変化により、色を持つダイヤモンドが誕生します。
色がつくメカニズムはまだ解明されておらず、わからないことが多いのですが、ダイヤモンドが形成される時に、その元素である炭素が高温と高圧で圧縮されます。その際わずかな不純物である別の元素が取り込まれることで、ダイヤモンドに色がつくという推測が一般的です。
あの小さなダイヤモンドにも、不思議な成り立ちが秘められているのですね。
ダイヤモンドの色の種類はどれくらい?
ダイヤモンドの色のバリエーションは数えきれないくらいありますが、主な色はほぼあると考えられています。
おおまかに分類すると、イエロー、オレンジ、ピンク、レッド、パープル、バイオレット、ブルー、グリーン、ブラウン、グレー、ブラック、ホワイト、無色透明、に分けることができます。
またGIA(米国宝石学会)が鑑定する色はイエロー、オレンジ、ピンク、レッド、パープル、バイオレット、ブルー、グリーンの8色です。
カラーダイヤモンドは小さなサイズだと、カジュアルなアクセサリーとしてもとても人気があります。
色ごとに宝石の意味をもたせていることもあり、ご自分の気持ちにしっくり来るカラーダイヤモンドを身につけるのも、楽しみの一つと言えるでしょう。
どの色が人気なのでしょうか
イエローダイヤモンドは、比較的産出量の多いダイヤモンドですが、ブルーダイヤモンドは大変珍しく、希少価値が高いダイヤモンドです。
またピンクダイヤモンド、レッドダイヤモンドなども数が少なく、オークションなどではびっくりするほどの高値で取引されています。
またGIAでは鑑定されない色ですが、ブラウン、グレーなどのカラーダイヤモンドは、日本人の肌色に大変合わせやすいため、人気のある色として取引されています。
世界の大富豪が代々受け継いていくカラーダイヤモンドなどもあり、ダイヤモンドにまつわるエピソードには驚く話ばかりが残っていますね!
人工的に色をつけたダイヤモンドも
天然のカラーダイヤモンドのことをファンシー(天然)ダイヤモンドと呼んでいますが、一方で人工的に着色したダイヤモンドをトリートメントダイヤモンドと呼んで、区別しています。
トリートメントダイヤモンドは、普通のダイヤモンドに放射線を照射したり、科学的に分子構造を変える処理をしたり、高温高圧で処理をするなどの加工をほどこし、色を変化させています。
作り出すことのできる色も、ほぼ天然カラーダイヤモンドと同じ種類となり、品質も見分けがつかないほどの技術となっています。色が抜けてしまったり退色するということもなく使うことができます。
購入の際にはしっかりと天然なのか人工的なトリートメントダイヤモンドなのか、確認することが大切です。
またダイヤモンドの表面に膜をかけるように着色する、コーティングダイヤモンドというものも、よく販売されるようになりました。
こちらは膜でコーティングをしているので、ダイヤモンドをぶつけたり、何かの衝撃ではがれてしまうこともあります。そうなると元の白いダイヤモンドの地色が出てきてしまうので、注意が必要ですね。
カラーダイヤモンドはどこで取れるの?どのくらいの量なの?
カラーダイヤモンドは、通常のダイヤモンド鉱山に混じって出てくることもありますが、最近では各国で特徴的なカラーダイヤモンドの鉱山は発見されています。
ピンクダイヤモンドで有名なのが、オーストラリアのアーガイル鉱山です。ここでは良質なピンクダイヤモンドが出てくると期待されています。
またロシア、ブラジル、インド、タンザニア、ザイール、アンゴラ、南アフリカなどの鉱山にもありますが、これらの国では他の宝石も数多く産出されています。
実際にカラーダイヤモンドの産出される量ですが、これは普通のダイヤモンドに比べると非常に少ないです。おおまかな例えですが、ダイヤモンド10000個の中から1個から10個くらいの割合だと言われています。
普通の無色透明なダイヤモンドですら貴重な宝石なのに、その1万分1ともなると、本当に奇跡のようなカラーダイヤモンドですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?昔から小説や映画の中に登場するカラーダイヤモンドは、やはり高価で謎めいた輝きをはなつ宝石ですね。
希少価値も高く数も少ない、となると、ぜひ身に付けたいという気持ちにもなります。
どこかでカラーダイヤモンドを見つけたら、ぜひこの話を思い出してじっくりと輝きを見てくださいね。