宝石買取実績 ルビー トップ
お客様情報
お客様: Y様
所在地: 東京都
年齢: 60代
買取方法:出張買取
売却品: ルビートップ Pt900 13.6g
買取を依頼した理由
Y様は東京の市部にお住まいで、今はお子さんも独立され、お独りでお住まいになっておられます。
お若い頃から宝石がお好きだったという事で、ご主人と一緒に都心に出掛けられた時には、必ずジュエリーを見に行かれたそうです。
今回、お住まいの団地が立替工事をする事が決まったので、諸々の整理をし始めたという事でした。
このルビートップはY様よりご依頼いただいた宝飾品の中の一つですが、珍しい物ですしきれいなのでご紹介させていただきました。
買取価格
ルビートップ買取金額 ¥244,000−
査定したポイント
このペンダントトップを査定する上で最も重要視したのは、なんといってもルビーの留め方です。
普通のジュエリーは金属の爪で宝石を固定しているものが多いのですが、このルビートップはルビーを留めている爪が全く見えません。
宝石を支える爪が全く見えないこの留め方は「ミステリー・セッティング(別名:インビジブル・セッティング)」と呼ばれるものです。
非常に高度な技術が要求される技法で、熟練した職人でも一つの石をセットするのに数時間を要する事もあるというものです。
余談ですが、知人のジュエリーデザイナーがフランスのヴァンドーム広場近くにあるヴァン・クリーフ&アーペルの工房を見学させていただいた事があるのですが、二時間の見学時間で留められた石は一つだけだったそうです。
一般的な一粒石を金属の爪で留めた形のペンダントトップでは、プラチナ、ルビー、ダイヤモンドをそれぞれ独立した素材として評価し、最後に個々の評価を合算して買取金額を決める事が多いのですが、今回のペンダントトップはミステリー・セッティングで曲面をも素晴らしい緻密さで作り上げた逸品なので、宝飾品のペンダントトップとして流通性が高いと判断し、素材の評価額から大幅にアップした形で買取金額をご提示させていただきました。
宝石買取 まとめ
ミステリー・セッティング技法は、1933年にヴァン・クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)によって考案され、特許が取得された技法です。
また1936年には、「ミステリー・セッティング」という技法名がヴァン・クリーフ&アーペルによって商標登録されています。
宝石を支える爪が表面から見えないようにセッティングするこの技法は、まさに革新的であったといいます。
ミステリー・セッティングが世に出た当初は平面にしか加工できなかったという事ですが、その後技術が磨かれ、今では曲面にも宝石を美しく留める事が可能になっています。
この技法は、宝石のガードルの下に溝を掘り極細の金属のレールに一つ一つはめ込んで行くというものです。
宝石はスクエアにカットされ、隙間なく敷き詰める為に数ミクロン単位の研磨とはめ込み作業が繰り返されます。
肉眼では不可能な程の細かい作業になるため、最終的には顕微鏡を使いながら加工する事もあるそうです。
ミステリー・セッティングは加工に非常に高度な技術が要求されるため加工費用が高額になります。
よってハイジュエリーに多く見られます。
今でこそテレビショッピングやネットショッピングでミステリー・セッティング(商標の問題でミステリー・セッティングという名称が使えない時はインビジブル・セッティング)のジュエリーが紹介される事が多くなりましたが、Y様が購入された頃にはまだ珍しい類の宝飾品であったと思われますし、現在よりもっと高額であったと思われます。
Y様が大事に使われてきた今回のルビートップについて、弊社としても最大限の評価をさせていただき、Y様に買取金額をご満足いただけたようなので安心しました。