宝石珊瑚は天然素材であるために様々な模様がはいっており、その模様の入り方で価値が変わってきます。模様の種類の違いも価値や価格に影響があります。
その珊瑚の価値を見極めるためのポイントや模様の種類を見ていきたいと思います。まずは、珊瑚には、宝石珊瑚となるものとならないものの2種類が存在しています。
宝石珊瑚は、六放珊瑚、つまり触手が6本であり、生息地は深海が多いです。珊瑚礁とよばれるものについては、八放珊瑚、触手が八本であり、おもに生息地は光合成出来る場所、つまり光が届く浅い場所が主な生息地であります。
珊瑚礁は、浅瀬にある為に故意では無いにしても、ダイバーや漁師たちが壊してしまったために、世界条約にて採取保護の対象になっており、許可を持った人しか採取が出来ません。宝石珊瑚も明治以降に乱獲や密漁、数多く採取されすぎた為に模様の中では採れないものが存在しています。
珊瑚には、模様や種類、採取された地域によっても微妙に色彩が違うため、その模様によって価値が高いとされているものがあります。
珊瑚の種類と模様①「血赤珊瑚」
宝石珊瑚の中でも最も価値があり、高価な取引をされているものです。
赤珊瑚の中でも、日本産のものであり、その赤色が血のように赤黒く、深紅の色をしています。血赤珊瑚の特徴は、高知県沿岸、深海100メートルから400メートルのエリアにて生息し、一年での成長も0.1ミリ程度しか成長しません。なので、1センチまで成長するのに30年から50年はかかるとものであり、現在は養殖も出来ないので、その成長の遅さが希少性をさらに高めています。
血赤珊瑚には、中心に「フ」と呼ばれる珊瑚の骨が存在しています。「フ」の部分にネックレスにするための穴を通したり、装飾品との接点にしようすることが多いです。その「フ」が入ってなく、深紅の状態がきれいに出ているものほど高価になっています。
世界的に需要が多く、採取するのにも特別な潜水艦を使って採取し、原木のままではどのような状態かもわかりません。
原木を磨く前に状態を確認することが出来ず、磨いてみて、はじめてその美しさが分かるのです。
珊瑚の種類と模様②「地中海珊瑚」
赤い珊瑚という点では、血赤珊瑚と一緒ではありますが、赤珊瑚と血赤珊瑚は全く別の物であり、価値も異なりますので、ご注意ください。
赤珊瑚は、地中海沿岸にて採取され、ヨーロッパで加工され輸入されます。
日本にシルクロードを通り伝来されたのもこの赤珊瑚といわれています。
古代から多くの装飾品として愛用されています。
珊瑚の種類と模様③「白珊瑚」
模様として赤珊瑚に白く浮き出ているものがありますが、白珊瑚は真っ白。
象牙のような白さになっている珊瑚のことを言います。
白珊瑚は、採取されることがほとんどなく、大変貴重なものとしています。
珊瑚の種類と模様④「ピンク珊瑚」
珊瑚の模様として、ピンク色が強いもの、その中でもくっきりとしたピンク色の物を本ボケといい、混じりっ気が無い物ほどきれいな幻の珊瑚となっています。
珊瑚の種類と模様⑤「桃色珊瑚」
ピンク珊瑚でも少し色が混じったようなものや、色々珊瑚になっていないような珊瑚は、桃色珊瑚といいます。
それぞれ別の色模様をしているので、同じ柄のものは存在しません。
ペンダントや玉櫛、彫刻などの形に加工して商品化されているものが多いです。
珊瑚の種類と模様⑥「黒珊瑚」
主にハワイ州で許可をされた漁師たちによって採取されています。
お土産として売っているものが多いです。
珊瑚の模様は、天然のものゆえに色々な色彩があります。なかでも混じりっ気のない状態のものほど、高価になりやすいものです。血赤珊瑚や本ボケのピンク珊瑚、白珊瑚などは、今では珍しく価値のある商品になっています。
深海から採取するために、枝の状態も良い原木は稀で、奇跡的な偶然と言えるほどの確率で、成長するまでに100年以上もの年月を要するといわれており、大変貴重なおものです。
生木とよばれ、つやの良い状態の製品は、とても高級品質といえます。
血赤珊瑚の原産は、日本ですが、年々減少傾向にあり、新しい漁場や養殖が出来るものでは、ないので、さらに希少価値が上がっていくものです。
珊瑚の価値として、他の装飾物、たとえばダイヤや純金やプラチナなどの宝石と一緒に指輪やネックレスとしてあるものは、それだけ状態が良い物と判断できます。
ダイヤや宝石に負けないほどの良い状態の物でないと、見劣りしてしまいます。
模様が入っていても一流でサイナーが手掛けたものであると、模様にかかわらず、高価なものとして価値があるものとされます。
お手入れや保管にも気を使いたいものです。
海の天然物なので、真珠同様に高温多湿、感想や酸に弱いために、水仕事やお風呂などには身に付けたまま行わないことが重要です。
使ったものは、優しく布などで拭いてあげることで繊細な商品に傷がつきにくく、輝きを失わないようにしましょう。
珊瑚の模様は天然物としてのアクセントの一つとして楽しめるものです。
単色なものほど高価な値段が付くものではありますが、天然の模様を楽しめるのも一つかと思います。
もし宝石珊瑚をお持ちでしたら、意外にも高価なものかもしれませんよ。