買取した商品のご紹介
本日ご紹介させて頂くのはこちらの象牙です。
龍の彫刻が施された一本物の象牙です。(アフリカゾウ・蓋有・台座付き・登録有)
長さ74.5㎝、重さ1.74㎏でした。
まず、このような全形を保持した一本物の象牙の売買・譲渡には、自然環境センターで発行された登録票が絶対的に必要です。
登録票の無い象牙は、家から持ち出すことさえも違法とされているのです。
象牙は昔から芸術品や嗜好品として、世界中で人気の高い品でした。
今回のような一本物の置物や、彫刻が施された置物(天球や香炉など)、指輪やネックレスなどの装飾品、印鑑などの実用品など多岐にわたって象牙が使用されていました。
主に中国での人気が高かったですが、日本でも印鑑や麻雀牌など様々な象牙製品が人気でした。
象牙は見た目の美しさや質感だったり、加工のしやすさから高級材料として親しまれ重宝されていました。
しかし、その人気と価格の高さを利用しようと、悪徳な業者が増えてしまったのです。
その結果、象牙の乱獲や密猟が増えてしまい、牙を持つ象の個体数が激減し、世界的な問題となりました。
絶滅の恐れを危惧して、1989年にワシントン条約によって象牙の国際的な取引に対して大きく制限を設けることが決定しました。
それに際して、日本国内でも1992年に種の保存法(絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律)を制定し、上記のような登録票が必要となりました。
登録票の無い物は、売る・買う・あげる・もらう・貸す・借りるなど全ての行為が禁止されていますのでお気を付けください。
状態
状態についてです。
まず彫刻ですが、中央に龍が彫られているものでした。
透かし彫りではなく、表面のみの彫刻です。
銘はなく、大量生産型の物のようです。
先端部分に穴があります。これは象の虫歯ですが、査定にはさほど響きません。
透かし彫りではない為、裏面は無垢です。
全体的に黄ばみもなく、きれいなものでした。
査定額
査定額は3.1万です。
査定ポイント紹介
全形を保った象牙の一本物の査定で最も重要なのは重量です。
状態にもよりますが、物凄く曲がっていたり、割れ(欠け)が酷かったりするもの以外は基本的に、重さ×キロ単価で査定額が決まります。
今回お買取りさせて頂いたものは彫刻の施されたものだった為、少し査定方法が変わります。
彫刻品は、その彫刻施した人が有名で、銘が入っているものであればプラスの査定となります。
しかし、逆に銘が無く、彫刻自体も細かでないようなものですと、通常の無垢の物に比べてマイナスの査定となってしまいます。
観賞用として彫刻物の象牙の人気は高いですが、象牙は基本的に「材料」として考えられるため、彫刻物よりも無垢の物の方が、同じ重量でも価値が高いことが多いです。
まとめ
現在、象牙の売買はこの先、今以上に厳しくなっていくとも言われています。
今はまだ日本国内での象牙の取引は禁止されていませんが、いつ全面的に禁止になるかも我々でも分からない状況です。
禁止になった場合、弊社でもお買取りさせて頂くことが一切できなくなります。
そうなった場合、お手持ちの象牙の価値が0円になってしまいます。
もし少しでも売却をお考えの場合お早めにご相談ください。