鑑別書と買取額について (Identification Report)
鑑別書と珊瑚買取額の関係
鑑別書とは、宝石を科学的に検査・分析して、何の鉱物なのか、どんな石なのかの分析結果まとめた物です。鑑別書により、天然石なのか合成石なのか、模造石なのかがわかります。
鑑別書のルールとして宝石の価値や産地は記載出来ない事になっています。また、鑑定書(ダイヤモンド・グレーティング・レポート)という言葉も聞いた事があると思いますが、これは、ダイヤモンドの4Cのグレードをまとめたものですので混在しないようにしましょう。
鑑定書(グレーティング・レポート)はダイヤモンドの評価を決める4C(カット、クラリティ、カラー、カラット)のグレードがしっかり記載されていますが、鑑別書は勘違いされてる方も多いですが、石の評価をしているわけではなく、この石は科学的に、なんの石なのかを示しているだけですので、鑑別書があるからと言って石の価値が上がるわけではありません。お店で買う際も鑑別書が付いているから価値のある石だという事はありません。鑑別書の内容を理解し、購入しましょう。
簡単な話ですが、価値の全くない石でも鑑別書は発行してもらえるという事です。また、記載の仕方や分析項目の数など鑑別書の発行機関によって多少違いますが、基本的には1~10の項目が記載されていますので、何が大事なポイントなのか、どうゆう意味なのか、聞きなれない言葉や単語も多いと思いますが、鑑別書しっかり理解しましょう。
鑑別書1~11までの解説と珊瑚買取額
1,鑑別結果(CONCLUSION)
一番大事なポイントです。天然石なのか合成石なのか、はたまた模造石なのかの結果が書かれています。自然界で出来た物で、カット・研磨以外に人為的に改造、着色などされていない場合には(天然)が使われます。また、合成石の場合には(合成)と記載されます。
人為的に手が加えられている石にはコメントが添えられます。
※珊瑚の場合、コーティングや染色、含侵処理などの方法で色を変化させている場合があります。当然の事ですが、人為的に処理されている珊瑚の買取額は低くなります。
以下、コメント欄に記載される単語です。
(含侵処理)
エメラルドなどに良く使われている人口的な処理方法です。キズに油や、樹脂を染み込ませ固める事で、透明度と耐久性を上げる事ができます。現在、流通しているエメラルドのほとんどはこの処理が行われています。
(加熱)
色を改善させる事を目的とした処理方法の一つです。ルビーやサファイヤなどによく使われている処理方法で、1000度以上で加熱し、色の良くないコランダム(ルビーやサファイア)の色を良くするために行われています。日本に流通しているほとんどのルビー、サファイアは加熱処理された物です。
(充填処理)
宝石の見た目(外観)を改善させる為の処理方法です。キズの隙間や穴に、人工物(ガラスなど)を詰めて塞ぎ見た目を良くする処理です。ルビーやサファイアなどによく見られる処理方法です。
(着色処理)
色素による着色や有色樹脂で色の改善を行う処理方法です。エメラルド、メノウ、翡翠などに使われ、色を濃くしたり、鮮やかにする為の処理です。
(コーティング処理)
コーティングによる人為的な着色処理です。ダイヤモンドによく使われている処理で、タンザナイトやトパーズなどにも施されている場合があります。現在では金属酸化物薄膜を用い色を変化させています。
※鑑別書について記載していますのでダイヤモンドに使われる処理は除いてあります。
2,色及び外観特徴(appearance)
透明度と色が記載されます。透明度は(透明、半透明、不透明)の三種類で表されます。珊瑚に透明性はないので、不透明と記載されています。珊瑚の場合、今回の珊瑚は血赤に近いので色相は赤褐色となっていますが、赤色や赤橙色など、外観から色を判断して、記載されます。
珊瑚に関する詳しい情報「珊瑚買取記事」で紹介しています。
珊瑚の色では、血赤と呼ばれる(赤色に黒が混じっているような)色が1番買取額は高くなり、赤、オレンジ、ピンク、白と色が薄くなる程買取額が安くなります。
3,形状(STYLE OF OUT)
カット・形状とは、その宝石に施された、カットの仕方を記載した物です。ラウンドブリリアントカットや、プリンセスカット、エメラルドカットなど、記載されます。珊瑚の場合は、主に、
(ラウンドシェイプド)
丸玉のカットです。指輪やネックレス、ピアスなど様々な商品に使われています。
(カボションカット)
ドーム型のカットです。こちらのカットも指輪やネックレスなどに使われています。
(ビーズ)
パールなどでよく使われています。数珠や、ブレスレット、ネックレスなどに使われています。
珊瑚買取で、同じ大きさ(ct)、同じ色の場合、ラウンドシェイプド(丸玉)がカットの中では買取額が高くなります。
4,サイズ(SIZE)
宝石の縦・横・深さをmmで記載します。リングなどの商品に付いている宝石で物理的に測定が難しい場合など測定不可や鑑別機関によっては省略と記載されます。
今回の鑑別書の赤珊瑚は丸玉です。丸玉ですので、直径のみの記載となります。丸玉の場合直径が大きく買取額に影響します。大きければ大きい程、買取額はアップします。
5,重量(WEIGHT)
宝石の持つ重さを記載しています。珊瑚の買取では、大きさはとても重要な要素になります。ルース(裸石、物になっていない)の場合はct(カラット)で表記されます。1ctは0.2gです。
リングやペンダントトップのように商品になっている場合に、刻印が押してある場合はその数字が記載されます。
例)エメラルドリング 重量 E2.77 D0.40(刻印)というように記載されます。
Eはエメラルド2.77ct、Dはダイヤモンド0.40ctという意味です。今回の鑑別書の場合、リングに刻印が無かった為、刻印なしと表記されています。
6,レポートナンバー
鑑別書ごとに番号が振り分けられ、鑑別機関のデータベースに登録されます。これにより、鑑別書の偽造など、データベースと照合するだけで見破る事が出来きます。
7,偏光性(POLARIZATION)
偏光性は宝石の持つ光の屈折特性を記載しています。なんだか少し難しいですが、宝石によって、光を当てた時、光が一方向から出ていく事を単屈折、複数に枝分かれして出ていく事を複屈折と言います。
鑑別の際、ダイヤモンドとダイヤモンドとよく似ている類似石(ジルコン、合成モアッサナイト)を見分ける事などにも役立ちます。
宝石の中の内包物(インクルージョン)が二重に見える現象をダブリングといいますが、複屈折性をもつ宝石にだけ見られる現象です。ダイヤモンドは単屈折の為このダブリングを示すことはありません。逆にジルコン、合成モアッサナイトは複屈折ですのでダブリングを示しますのでダイヤモンドの鑑別に有効です。珊瑚に関しては、不透明ですので省略となります。
8,屈折率(PERFRACTIVE)
屈折率とは、宝石に光が当たった時に起こる屈折の度合いを表した物で、宝石それぞれに数値が違います。この数値を見る事で類似石との判断が出来たりします。珊瑚の屈折率は1.50です。
9,比重
比重とは、基準となる物質の密度を1とした時、その物質がいくつになるかを比で求めたものです。重量÷体積=比重となります。
今回の珊瑚は指輪という事で製品になっている為比重は測れませんので省略となっています。
10,蛍光性
蛍光性とは、宝石に紫外線を当てた時の変化を記載したものです。宝石によって強く反応し蛍光性を示す物や、まったく反応しない物など様々です。蛍光性があった場合は認むと表記されます。
11,鑑別機関名称
鑑別書には必ず鑑別書の発行元の名称が記載されます。
珊瑚の買取額について
簡単に説明していきましたが珊瑚鑑別書の項目の意味わかりましたでしょうか?
いろいろと聞きなれない言葉が出てきたと思いますが、鑑定結果以外は、珊瑚の特徴や、なぜ、この鑑別結果に至ったのかを科学的に説明しているだけです。要は、偏光性、屈折率、比重、蛍光性などの分析結果がこうだったから、この宝石と断定しますよと言っているわけですね。
珊瑚鑑別書で、ポイントとなってくる部分は、天然の珊瑚なのか、処理されている珊瑚なのか、カットと大きさはどうなのか、の部分だけになってくると思いますので、鑑別書お持ちの方は注意して見てみてください。
→珊瑚買取実績を見る
今回は珊瑚の鑑別書についてのお問合せが多かったので鑑別書についてわかりやすくまとめたページを作ろうと思い記載させて頂きましたが、ラフテルでは、鑑別書があっても無くても買取額が変わる事はありません。
と言うのも、鑑別書はこの宝石は珊瑚ですよと言っているだけで、珊瑚の品質を記載している物ではないからです。ただ、珊瑚買取店側から思う珊瑚鑑別書のメリットとしては、電話でのお問合せや、店頭で査定する際場合など、鑑別書があれば外観や形状、サイズ、重量など、鑑別書に記載してある内容を言って頂けるとスムーズに買取額を申し上げられ事かなぁと思います。
このように珊瑚の鑑別書はなくても気になさらずに、お問合せお待ちしております。
また、宅配買取、店頭買取、出張買取、すべて無料ですのでお気軽にご利用下さい。
お客様に納得頂けるよう精一杯の買取額をご提示いたします。
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