日本が原産の宝石の一種、宝石珊瑚の中でも血赤珊瑚は特に高価で取引されています。
この血赤珊瑚と他の珊瑚との違いを検証します。
「血赤珊瑚」
原産国は日本、主に高知県土佐湾中心に漁場になっています。
明治以降に赤珊瑚よりも深い赤、血の色のような赤黒くなった珊瑚を発見し、ヨーロッパなどで人気となり高価に取引されたために、一攫千金を求めて珊瑚の採取が多く行われるようになりました。
そこで、珊瑚の採取が多く行われたことにより、収穫数も少なくなってきています。
宝石珊瑚の成長は、1年に0.1ミリほどで、成長するまでに30年から50年かかるとまでいわれています。
珊瑚は水深100メートル以上の深い海に住んでおり、実は植物ではなく、サンゴ虫といった動物が集まった集合体のため、中心に骨格があり、硬い殻のようなものでおおわれています。
血赤珊瑚の特徴
日本産の血赤珊瑚、地中海産の赤珊瑚には見られない独特な特徴として、原木のなかに骨のような白い「フ」と呼ばれるものがあります。
この「フ」が天然もの、日本産の証ではありますが、加工をするときにこの「フ」の部分が見えずに仕上げが出来るかが価値を上げるポイントになります。
原木の根元の太さが10センチまでの大きさにはなりにくく、「フ」が入っていない場所を使わずに加工することは大変に難しく、また「フ」が少ない箇所で宝石加工を行っているものは高価で取引されています。
血赤珊瑚の相場価格
血赤珊瑚は、台湾や中国の富裕層にはとても人気があり、自然の美しさをそのまま表している原木は1グラム約20万円以上の値をつけることがあり、10年ほどで10倍にまで価格が上昇しています。
ヤフオクや楽天などのオークションサイトでも中古品でもネックレスが500万円で取引されていたり、楽天では1,000万円を超える値段での取引されているようです。
近年これほどまでに注目されるのは、やはり他国では採取できないものであり、中国ではヒスイと並び人気のある宝石です。
珊瑚が身近にある国として、年末年始の行事に赤い物をつける風習のあるイタリアやフランスの王室では出産時に身に付けて安産祈願のお守りとして使われたりしています。
仏教において、七宝の中に珊瑚も入っていて、高僧が数珠として使用し、勤行していました。
古くより珊瑚は装飾品としてではなく、神具の一つとして用いられてきました。
珊瑚に対する思いが私たちにも脈々と受け継がれています。
このように血赤珊瑚は貴重なものですが、丸型にカットされているものより、原木の方が人気があり、価値があります。4センチ以上の太さの血赤珊瑚は珍しいために最高級ランクに位置しています。
原木で幹の部分3センチ、高さも30センチ以上のものはほとんどなく。丸型に加工するためには骨の部分の「フ」や表面の自然の穴や傷がついていないものでなくてはならず、10ミリ以上大きな丸型は大変貴重価値があるといえます。
血赤珊瑚は、高価で買取、取引されていますが、その他にも宝石珊瑚はあります。
「地中海珊瑚」
血赤珊瑚と赤色は似ているのですが、別の物であり、地中海沿岸で採れるため、地中海珊瑚と呼ばれています。
地中海珊瑚は、中心に「フ」が無く、血赤珊瑚のような赤黒さは無いです。
採取された直後にはわからないようなものですが、磨くと違いがはっきりしてきます。
しかし、赤い珊瑚は珍しく人気が高いです。
「本ボケ珊瑚」
高知県沖にて採取され、ピンク色が統一された混じりっ気のない非常に美しい色合いのものを本ボケといいます。
現在では採取量が非常に少なく、幻の宝石珊瑚となっています。
「ピンク珊瑚・桃色珊瑚」
ほのかなピンク色からオレンジ色、桃赤色には天然の模様のような色気が入っている珊瑚で、宝石として様々な形に加工されたり、彫刻されたり加工品として用いられます。
色が統一されたものほど、高価になっていきます。
珊瑚の特徴として、潮の流れや珊瑚虫の影響でそれぞれに特徴があり、採取したときに寿命を迎えたものでも、磨くときれいな色が出てくるものもあります。
血赤珊瑚、宝石珊瑚をお持ちでしたらその価値を下げない為にもしていただきたいことがお手入れです。
天然の宝石珊瑚は、ほとんどが炭酸カルシウムでできていて、硬度が3.5となっており、人間の歯と同様の硬さをもっています。有機質でキズが付きやすい商品です。
他の宝石などと一緒にしまうとお互いキズをつけてしまうため、別々のケースに入れて保存しておきましょう。
珊瑚は酸に弱いものです。
お掃除や食事、洗剤などを使う場合、お風呂やプールに入る時には使用は避けましょう。
使い終わったら、柔らかい布、クリーニングクロスで拭いてあげてください。
使い終わったときに毎回丁寧にお手入れしてあげることで、保存状態を良くし、輝きを失わないようにしましょう。
宝石珊瑚の中でも、血赤珊瑚はもっとも希少価値があり、高価で取引されています。
もしご家庭で眠っている宝石珊瑚がありましたら、鑑定してもらう時にも、一つのお店だけでなく、いくつか見てもらうのも効果に買い取ってもらえるコツです。