高級宝石の一つである珊瑚。真珠とともに生物由来である珊瑚にはきれいな光沢があり、美しい深紅が特徴です。しかしその美しさのあまり、偽物の珊瑚も多く製造され市場にも出回っています。
しかも偽物の珊瑚は巧妙に作られており、見た目のみで判断するのはむずかしいほどの完成度のものもあります。
珊瑚買取でも本物か偽物かを見分けることが、大変重要なポイントです。本物を見極める鑑定は買取の査定や価格にも大きな影響をおよぼしますし、何より長年珊瑚を大切にしてこられたお客様のお気持ちを考えると、非常にむずかしい問題でもあります。
はじめに
本物の珊瑚とは
あなたが持っている珊瑚は本当に本物かどうか、チェックしたことはありますか?実際に本物と偽物を比べてみても、おそらく見分けがつかないかもしれません。
しかし珊瑚のことをよく知っておけば、本物の珊瑚かどうか見分けるポイントがあります。まず本物の珊瑚がどのようなものか基礎知識を学びながら、見分けるポイントを確認していきましょう。
本物の珊瑚は、血のように赤い色か、美しい桃色のものが主流です。平均的な丸玉の大きさが直径8ミリぐらいまで、10ミリを超えるものは希少性が高く大変高価なものとなります。
珊瑚特有の重さを持ち、石のような冷たさがあります。
偽物の珊瑚の特徴
偽物の珊瑚はプラスチック、樹脂、海竹(シーバンブー)、ガラスなどで作られることが多く、質感や触った感触に大きな違いがあります。
本物の珊瑚と比較した時の偽物の特徴は以下のようなポイントになります。
プラスチック
石油由来の素材です。持った時にとても軽く、珊瑚特有の冷やりとした感触がありません。
樹脂
プラスチックと同様に本物と比較するとやや軽く、冷たい感触がありません。
海竹(シーバンブー)
色ムラや部分的に濃い線のようなものがあります。染色されている場合がほとんどです。
ガラス
珊瑚との質感の違いが大きくやや重い。触るとすぐに温まる。色の照りが強くキラキラしています。
偽物珊瑚の見分け方
ご自身でもできる見分け方
珊瑚の見分け方にはさまざまな方法があります。確実に判断できるのは素材そのものに手を加えてしまうことです。ただこれらの見分け方は本物か偽物かをすぐに判断できますが、素材が壊れてしまうのであまりお勧めはできません。
一番簡単な見分け方は、珊瑚を火であぶってみることです(火事・やけどに注意してください)
染色されているものであれば表面の塗料が溶け始め、メラメラと燃えだします。本物の珊瑚は燃えることはありません。
次に素材をハンマーなどで叩いてみることです。本珊瑚の中身と大きな違いが分かるでしょう。樹脂や海竹など偽物の珊瑚は、表面のみ染色されていることがほとんどなので中は真っ白です。ガラス製の偽物珊瑚であれば砕けてしまいます。またプラスチックなら潰れたり割れたりします。
その他の見分ける方法としては、枝の本珊瑚は軽く叩くと金属音のような高い音が出ます(強く叩きすぎると割れてしますので注意は必要です)
くりかえしますが、これらの方法は、珊瑚そのものに手を加えるため、万が一の場合は壊れてしまう可能性が高いです。できれば珊瑚買取を行う専門店や業者に鑑定を依頼してください。
『価値が急落⁈絶対に行っておくべき珊瑚の手入れとは』や『珊瑚買取ノウハウのすべて。偽物に騙されず、高く売る方法とは』もご一緒にご覧ください。
見た目にもポイントがあります
見た目の特徴で鑑定を行うこともできます。その際のポイントを見てみましょう。
本珊瑚の表面には年輪のような縞模様があります。しかし現在出回っている偽物の珊瑚にも、高度な染色技法で模様を付けてある場合もあります。
また「虫食い」と呼ばれる小さな穴や、「フ」と呼ばれる白い色の部分を付けてあることがあります。
「虫食い」は、枝珊瑚の根元に近い場所などに虫食いが見られる状態を指します。「フ」とは本物の珊瑚の特徴の一つで、珊瑚の原木の中心部に白い色の「フ」と呼ばれる模様があることです。
※これは日本の近海の採れる珊瑚の大きな特徴です。他の地域で採れた珊瑚にはありません。
「フ」や「虫食い」などは、指輪やネックレスの加工の際には目立たぬよう裏側などに隠して加工します。なのにわざわざ見えるように加工してるのはなぜか?と考えれば、これは本物ではないと見抜くポイントとも言えるでしょう。
さまざまなポイントを見比べてみると、本物か偽物かを見分けることもできますが、一番良い見分け方は、やはり専門店での鑑定をお勧めいたします。
本物珊瑚か見分けるために必要な道具
- 10倍以上拡大可能なルーペ
- ライター(火を付けられるもの)
- ハンマー
- ピンセットなど熱に強い素材
見分け方:
ピンセットなどで珊瑚をつまんで、熱であぶってみましょう。繰り返しなりますがくれぐれもやけどをしないように気をつけて行ってください。
本珊瑚は燃えない素材ではありますが、やはり熱を加えすぎるのはよくありませんので、白熱電球などに近づけ表面に変化が出るか、よく確かめながら行ってください。
またピンセットやドライバーなどを軽くライターであぶり、珊瑚の目立たない部分につけて、表面に変化が出るかどうか確認することも可能です。熱を当てて表面に変化が無ければ本物の珊瑚の可能性が高いと言えます。ただ、熱を与え過ぎると珊瑚にヒビが入る可能性がありますので加減が必要です。
さらに表面の模様を見てみましょう。本珊瑚の全てにあるわけではないですが、年輪のような模様を持つ珊瑚があります。肉眼では確認しづらいので10倍以上のルーペで見ることをお勧めします。模様に不自然な線があったり、無機質に見える場合は偽物の可能性が高いでしょう。
トンカチなどを使って叩いてみるのは、最終手段だと考えてください。できれば避けた方が無難かと思います。
【珊瑚買取ノウハウ】実際にあった偽物珊瑚の話
以前、弊社にて珊瑚買取希望で持ち込みのお客様が来店された際に、実際にあったお話です。品物は血赤珊瑚の帯留め、ネックレス、イヤリング、ブローチ、リングとアクセサリー一式でした。
購入されたのは30年以上前で、購入時の価格はすべてまとめて約200万円でした。全て血赤珊瑚で、お話を聞く限りでは、どれもサイズ、重量、色など最高級と思われるもので、正直バブルの時期のご購入で200万円は安いと思いました。
当初は電話でお話を伺っていたのですが、一般のお客様からのご相談でしたので、一度品物を拝見させていただきたく、弊社がある御徒町までご来店いただけるようお願いしました。
お持ちいただいた品物を鑑定させていただくと、なんと本物はリングの赤珊瑚(ルース)のみでした。他の品物は赤瑪瑙(赤メノウ)や染め珊瑚、練物(ねりもの)が使われておりすべて偽物でした。これらの品物は宝石商の営業マンが飛び込み営業で自宅に来て、その場でまとめて購入したというお話でした。
この時期の宝石商の営業マンは、デパートや自宅、会社など営業販売を行い、いくつかの商品の中に本物を一つだけ入れておき、あたかも他の商品すべてが本物であるように見せかけるという違法な販売方法が横行していました。
この方も商談の際には、まず珊瑚リングのみで話が進み、興味が出てきた所で他のアクセサリーも一緒に薦められ、言葉巧みにセットで購入すれば割引きできるという甘い言葉に惑わされてしまい、まとめて購入してしまったそうです。
昔はこのような業者が多く、たくさんの方がだまされていたようです。珊瑚は高価で大変高額な買い物です。しっかりと専門店や実績のある業者でご相談の上、購入することが大切です。
まとめ
本物と偽物の珊瑚の見分け方について、ポイントをまとめてみましたがいかがだったでしょうか?簡単に見分けの付く粗悪品の偽物から、「フ」や模様などを再現した手の込んだ偽物まで、さまざまな偽物の珊瑚が流通しています。お手もとの珊瑚が本物か偽物か、大変気になると思います。ご自身でもできる見分け方をお伝えしましたが、もしお時間があれば品物を直接実績のあるプロの鑑定士に見てもらうのが、一番確実です。
弊社ラフテルでは、お客様の大事なアクセサリーを火であぶったり、白熱球に近づけたりするなどの方法は、鑑定の際に一切行いません。この記事の中では、あくまで素人のお客様がご自身で鑑定するならば、という観点でお伝えさせていただきました。
ラフテルでは年間を通じて何百という珊瑚を鑑定しています。模様や「フ」の入り方、持った時の比重や色味など、実績を積んだ鑑定士が判断していきますが、ここでそのポイントをご説明するのはとても難しく、また鑑定士ならではの感覚や技術を伴うお話にもなってしまいます。
ぜひラフテルならではの鑑定を一度お受けになることをおすすめいたします。高価な宝石である大切な珊瑚の買取は、どうぞラフテルにおまかせください。
また珊瑚製品の購入をご検討されている場合は、ぜひ以下の点をご確認ください。
- ホームページがしっかりしているか?
- 創業からどれくらいの歴史を持つ会社なのか?
- 電話番号はちゃんと通じるか?
お店で珊瑚を購入する際も、他店よりあきらかに値段が安いなど不審な点がある場合は、購入前にきちんとお店の方の説明を受けるようにしましょう。
通販や宅配などでご購入される場合は、直接販売しているお店を見ることができないので、インターネットなどでお店の評価やプレビューなども参考に、信用出来るお店か判断しましょう。
珊瑚の購入は安い買い物ではないと思いますので、どうぞ慎重に行ってくださいね!!