「自分の持っている珊瑚価値ってどのくらいなんだろう?」と思ったことありませんか?宝石などに興味がある方であれば、珊瑚の価値をある程度把握できるでしょう。
ですが、珊瑚に興味のない方であれば、もちろん知っている人は少ないはずです。この記事では、珊瑚に関する基礎知識から、珊瑚の市場状況、また珊瑚の価値がどのようにして決まるのかを記載していきます。
珊瑚を高く売却する時に、ある程度の知識がなければ買取業者の思う壺になり非常に危険です。ですので、まずは珊瑚に関する全体的な知識を確認していきましょう。
珊瑚とは
珊瑚は大昔から世界各国で重宝、珍重されていたものです。海の浅い場所から海底まで様々なところに生息しています。
皆様もテレビなどで一度は見たことがあると思いますが、珊瑚と珊瑚礁は違うことをご存知ですか?
珊瑚は植物のような形をしていますが実は動物の仲間なのです。
動物の仲間と言っても膣腸動物の仲間ともいわれ、食べる所と排泄する所が同じ口から出入りする体の構造となっています。
しかも植物の働きもしてくれる優れた生き物です。
二酸化炭素を酸素に変え、珊瑚として成長するとともに大きさや形を変え天然の防波堤の役割や海の中の浄化などをしてくれています。
小さな魚の隠れ家や海中の生き物の棲み処としては皆さも知ってますよね。
某映画でも有名になりましたし、水族館でもご覧いただけるとおもいます。
ここまでは身近な珊瑚になりますが、珊瑚の中でも希少で高価な宝石珊瑚と呼ばれるものがございます。
それは珊瑚の中でも海底深くに住む本珊瑚と呼ばれるものです。赤珊瑚(紅珊瑚)とは海外の物の呼び名で、日本産の赤珊瑚ならば血赤珊瑚と呼ばれ価値が上がります。
日本で珊瑚と珊瑚漁が有名な地区は沖縄近辺や高知県が有名です。
水深80メートル以上深くの深海に生息する珊瑚は白珊瑚、桃色珊瑚、赤珊瑚がと呼ばれ、浅瀬に生息する珊瑚とは違い硬質で希少性が高くなります。
貴重で数も少ないですが、偽物珊瑚が世の中に出回っているのが現状です。
偽物珊瑚に多く使われているものは海竹と呼ばれる珊瑚の仲間や人工物の練り物、ガラスなど様々です。海竹や練り物などの偽物は素人の方ですと見分けがつかないかもしれません。
ですからご購入をお考えの方はお気をつけて下さい。
珊瑚市場の現状
数年前から中国バブルの効果により中国国内で様々な物の収集家が増え、需要が多くなり価値が高まりました。
その一つが本珊瑚です。
昔から希少価値は高かったのですが、すぐに手が出る代物ではありませんでした。しかし、バブルの影響で購入する人が増えたことにより珊瑚のg(グラム)㎏(キロ)単価も跳ね上がりました。
それでも欲しがる人は後を絶たず、中国なら高くても売れるということで世界各国の珊瑚は中国市場に集まりました。
他にも象牙や骨董品なども一緒に流れていき、世界中から中国の富裕層の手元にいきました。2017年、現在は全盛期に比べると単価は下がったものまで高値をキープしています。
ですが、このままですと価値が下がる可能性のほうが大きいかもしれません。それは、中国市場の影響が大きいためです。
なんで珊瑚買取市場にこんな注目が集まる?
珊瑚の需要がある国は多くありますが、宝石珊瑚が採れる国は多くありません。質が高く、鮮やかな血色の珊瑚が生息しているのは今のところ日本のみと言われています。
主に珊瑚の取引は中国と台湾で珊瑚の輸入と売買が9割近くを占めていると言っても過言ではありません。日本の珊瑚漁船が捕った9割がその二か国に輸出されています。
昔から東南アジア諸国では珊瑚やヒスイ、メノウなどは健康や幸せ、金運を呼ぶもの言われており、その中でも珊瑚は希少で人気があったため高値が付いています。
中国漁船の珊瑚密漁問題がテレビやニュースで取り上げられてことによって多くの人が珊瑚のことを知ったと思いますが、密漁だけが問題なのではありません。
過度な密漁により沖縄近海の海底は荒らされ海底砂漠と化してしまいました。
それでも密漁船が後を絶たないのは、日本産の珊瑚の価値が高いのと、中国での珊瑚や象牙、骨董品の市場が数年前から高騰しているからです。
中国バブルで様々な収集家が増え、需要が上がり、高くても売れるのもこのままずっと続くわけではないですが、色々な分野から注目されている中国市場です。
珊瑚価値はこう決まる
現在の本珊瑚の需要と希少性により、珊瑚価値はまだまだ高値を維持しています。ですが数年前と比較すると需要と価値は下がっているのが現状です。本珊瑚として認められていても価値のあるものは鮮やかに真っ赤な珊瑚です。
その中でも日本産の血赤珊瑚と認められるものは価値が高く、大きさや状態、形などで価値が大きく変わります。その他にも虫喰がある、ひび割れがあるなど色々あります。
現在、一番高く評価されているものは、珊瑚の原型を留めているもので、幹が太く枝がしっかりと外に広がっている血赤珊瑚(日本産)です。血赤珊瑚と認められるものは宝石の鑑定書のように珊瑚にも鑑定書がありますので、お持ちの場合は一緒にご持参して下さい。
珊瑚買取の価値を落とさないために行う事
珊瑚は苦手なものがあります。それは酸と熱です。珊瑚自体の多くが炭酸カルシウムでできており酸に溶けやすく、汗や化粧品にも反応してしまう恐れがあります。
以上の物に珊瑚が触れてしまった場合は、乾いた柔らかい布などで拭き取るように心掛けて下さい。
珊瑚を引き出しなどにしまう際は他の物と触れないように袋や元の箱に入れるようにしましょう。
傷の増える原因になり、価値が下がってしまいます。ただ、宝石珊瑚は熟練の職人の技によりあの輝きがでます。それでも状態の悪くなってしまった珊瑚は磨きを再度かけることは可能です。
珊瑚買取の実績をみたい方は「珊瑚買取実績」をお読みください
珊瑚に関する豆知識
世界中に多くの珊瑚が生存しています。現在、確認されている種類だけでも約800種類存在するそうです。その中でも宝石珊瑚として貴重で高級品として扱われるものはごく僅かになります。
珊瑚には、世界各国で古くから色々な言い伝えや伝説があります。ヨーロッパでは海底から上がった珊瑚は石のように固く赤いことから、神話のゴルゴン(メデューサ)が首を切られ流れ出た血が固まった物といわれていたり、ヨーロッパ諸国で魔除けや健康、安産などとも言い伝えられています。アジア諸国でも同じように様々なことが言い伝えられています。
>>>珊瑚買取はこちらから
まとめ
珊瑚の歴史は古く、日本での珊瑚の採取の始まりは高知県から始まったと言われています。たまたま高知県の漁船の網に珊瑚が引っかかっていたのが始まりのようです。
もともと輸入品としては知られていたのですが、日本でも取ることが分かり内密に捕獲したりされていました。
そして、日本で本格的に漁業として始まったのは明治時代からスタートし、輸出も始め、手にした世界各国のバイヤーは日本産は良質な珊瑚と有名になり世界各国から注目されるようになりました。
ヨーロッパ諸国での珊瑚の歴史はさらに深く19世紀頃まで古代植物といわれ、1種しかいないとされていました。珊瑚は、ギリシャ時代から装飾品としても使用され、重宝されるアイテムの1つでした。
そんな珊瑚ですが人間の進化により多くのことが解明されてきましたが、まだまだ謎が深い生き物で、深海に住む宝石珊瑚の解明は未だに多くの謎が残ったままです。比較的浅い海底に住む珊瑚と宝石珊瑚の大きな違いは何といっても成長の早さです。
浅瀬に住む珊瑚は、年に1~10㎝成長しますが、海底に住む宝石珊瑚はなんと、年に0.1~0.2㎜程度しか成長しないと言われています。ですから深海に住み捕獲が難しく、希少が高いので価格も高いのです。
これが、何十万、何百万円という買値が付くわけですが、この成長速度を見れば、安いぐらいにも感じられますね。
数年前からの中国市場と香港での珊瑚取引の価格高騰のため日本でも一気に珊瑚漁船は増えましたが、その煽りにより海外からの密漁船も多くなってしました。
漁業組合は捕獲しすぎないようしっかり法律を管理し生態系を壊さないように珊瑚の産卵時期など漁業禁止期間などを決めましたが、密漁船は後を絶たず、決まりも関係ないため過度な乱獲により海底の環境や生態系が壊され、沖縄近海に生息していた珊瑚はほぼ壊滅してしまい、海底砂漠が広がっているのが現在の状況です。
宝石珊瑚の成長は遅いので人と、珊瑚がうまく生存していた頃までに戻すことは気の遠くなる歳月が必要となります。