あなたは「珊瑚」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?
海の中でキレイな魚の隠しみのになっているカラフルな植物、あるいは小物インテリアとして加工されているものを見たことがある人もいるかもしれません。
今回紹介する珊瑚は「宝石珊瑚」としての珊瑚、「地中海珊瑚」です。珊瑚が宝石として売れるのか?そう思う方もいるかもしれないですが、実は地中海珊瑚は、はるか昔から高値で買取がされています。
その需要はというと、「現在も、密猟者が後を絶たない」「日本でも、漁に関する規制ができる」レベルです。
なぜそんなに需要があるのか?どれくらいで買い取られているのか?それをこれから説明していきます。読み終わる頃には赤珊瑚の需要と価値に驚いているはずです。
地中海珊瑚とは
地中海珊瑚とは、地中海沿岸のイタリア、フランス、スペイン、ギリシャに生息しています。地中海珊瑚は業界でサルディと言われることが多いです。理由はイタリアの西にある島「サルディニア」より昔から宝石珊瑚が採取されており、名前がそのままつけられたためだと言われています。
冒頭部分ではるか昔から高値で買取がされていると伝えましたが、
始まりはなんと、2万年以上前からにお守りとして使われている形跡が発見されています。
1200年~1800年にかけて、地中海沿岸からインド、中国と段々と輸出範囲が拡がっていき、イヤリングやネックレス、額縁や宝石箱やトレーまであらゆる商品に、地中海珊瑚が装飾品として加工されていきました。
また、地中海珊瑚の90%が、イタリアのナポリで加工されたとも言われています。もちろん植物の状態から球体へと加工されていくのですが、キレイにして商品の価値を高めるために元の大きさから半分ないし4分の3は削られて、捨てられてしまいます。
少ししか作れない分、利益を上げるには高く売ることが必要になるのです。
よって、1グラムあたりの価格が金よりも高額になり、より高級品として取引されていました。昔から少しの部分しか商品として利用されない貴重な物だったことがわかりますね。
地中海珊瑚の特徴
見た目は全体にポリプがあるのが特徴です。
また、珊瑚自体の色のムラは少なく色が安定しているため、宝石として加工すると赤く美しくなります。その中でも赤黒い地中海珊瑚はその艶やかさから「高級品」として認定されています。
特徴としては、他の珊瑚に比べて柔らかく、繊細で、内部が傷つきやすく、内包物、薄い白濁などがある場合が多いため、非常に廃棄率が高いです。
廃棄率が高いということは、前述の通り「貴重な物となり、1グラム当たりの値段が高くなる」ということです。
さらに、大きさは原木が20センチ~大きいものでも30センチ程で、直径は1.5センチ程、重さも100~150グラムと全体的に小ぶりなのが特徴です。珊瑚の価格について詳しく知りたい方は『【珊瑚売却検討者必見!】珊瑚の相場価格はこんなだった!』を読みください。
成長速度に至っては、1年間で4ミリ~8ミリ程度しか成長しないので、商品として加工できるものも必然的に少なくなるのです。
その結果、加工してできる丸玉は6ミリ程の物が多い。10ミリ以上となると非常に珍しいものとされています。
大きさも小さく、1年間で4ミリ~8ミリしか成長しない上に、非常に繊細で廃棄率も高いため、「より希少な物として扱われている」ということです。
地中海珊瑚はどこで採れるの?
地中海珊瑚は前述の通り、地中海近くのイタリア、フランス、他にはチュニジア、アルジェリア、ユーゴなどに生息しています。
珊瑚の分布密度は、珊瑚礁の面積が100平米あっても平均0.74郡体しか生えておらず、1郡体にも満たないので非常に少ないことがわかります。
また、比較的浅い場所(水深50メートル~200メートル)で採取可能なため、密猟者にも手を出されやすいと言われています。
なぜ密猟者が多いのか?漁の規制の必要性
密猟者においては、主に中国の密猟者が多いと言われているのが現状です。
中国では密漁は禁止されており、捕まると船を没収され、3年も党員資格が停止されています。漁業権も剥奪され、ひどい時には地元紙や会報誌で「海賊」「反共産党の鼠」などと書かれて晒し者にされてしまうこともあるそうです。
それでも密猟者が後を絶たないのはなぜか?実は中国では赤はとても良い、縁起のあるものとされており、富裕層が大きな利益を狙っているとも言われています。『赤珊瑚買取の相場ってどんな感じか知ってた?』
その買取価格だが、たった1グラムで18~36万で取引されることもあるというから驚きですよね。
浅いところに棲息しているので採りやすく、高値で買い取ってもらえる。比較的簡単に手に入り、非常に利益率が高いため、密猟者が後を絶ちません。
また、現在では漁の規制においても検討されているとも言われています。
宝石珊瑚は価値があるという情報が広がり、年々珊瑚漁を始める人が増えています。漁業から転職する人もいるくらいです。面白いですよね。
日本の宝石珊瑚の漁においては、高知県では2013年3月より、珊瑚が産卵する6~7月を採ることを禁止して、資源を守る動きが始まっています。
そこまでするには理由があり、とある専門家によると、「宝石珊瑚は生え始めてから大人の小指程度までの大きさになるまでに50年弱はかかってしまいます。成長スピードが遅いので、漁の休息期間を10年は設けるべきだ。」と訴えています。
それだけのペースを守らないと、宝石珊瑚は絶滅してしまう可能性があります。
宝石珊瑚はそれくらい、希有なものになっており、地中海珊瑚も宝石珊瑚の一種なので、例外ではありません。
地中海珊瑚買取額は?
日本ではどれくらいの価格で地中海珊瑚を買い取ってもらえるのか?
買取実績から抜粋したものだと、たった1.6センチ程のペンダントトップで19万、0.1カラットのダイヤが1カラット分連なっているものだと89万もの値段で売れています。
小さいものだと、小さいタイピンでも9万、7ミリ程のピアスで3万という価格で買い取られています。
あまり目にしないかもしれませんが、裸石だと150万円という驚きの価格で売れます。
宝石が他にもついていれば同じ1.6センチ程でも指輪で19万、ネックレスだと43gでも16万で売れるのでとりあえず持ち込んでみるのもおすすめです。
買取業者の多くは訪問して買い取ってくれるサービスをしているところもあり、郵送で買取してくれるところも多いです。
その場で現金を手にしたい人、値段をすぐに知りたい人は持ち込みしてドキドキ感を味わうのもいいかもしれません。
また、査定する中で、宝石のグラム数の小数点以降は切り捨てる業者もありますが、小数点以下まで計算してくれる業者もあるので、よく調べてから行くことをオススメしています。
小数点以下とはいえ、複数点持ち込むとしたら0.9ミリが9つだとしたら7200円もプラスになりますからね。正に、塵も積もれば山となる、です。『珊瑚買取実績』をご確認ください。
【まとめ】
- 地中海珊瑚は地中海付近に分布しており、歴史は古いです。しかし加工される部分が少ないため、昔より非常に高価は値段で取引されていました。
- 赤く艶やかなのが特徴で、高級品として扱われています。成長速度も1年で4~8ミリと非常に遅いです。さらに非常に繊細で傷つきやすいため、加工段階の廃棄率も高いので、宝石としては希少な物です。
- 地中海沿岸で採取され、その分布は少ないです。
- 1グラム18~36万と非常に高値で取引されるので、密猟者は後を絶たない。また、絶滅の可能性もあると認められており、禁猟期間が設けられている。
- 買取額は小さい物でも3万~大きいものだと150万もの高値で買い取られている。
お持ちの方は是非一度、買取査定に行ってみてはいかがだろうか?お持ちでない方も、目を光らせておいても損はないだろう。